つくばエクスプレス「柏たなか駅」。
誰ですか?「ダサい駅名ランキングにノミネートされちゃってるじゃん」なんて言ってるのは?(笑)
この「柏たなか」という駅名が正式に採用されるまでには、当時の地域の皆様の熱い思いが込められたストーリーが秘められていたのです。
鉄道がお好きな方の中には、ご存知の方も多くいらっしゃるかと思いますが、つくばエクスプレスが開通するはるか昔(1920~30年代)にも、実は「筑波高速電気鉄道」という会社による、鉄道敷設計画があったようです。
上野を起点に、日暮里、八潮、流山を経て守谷、筑波山へと至るルートでした。
現在のつくばエクスプレスとほぼ似たルートです。
しかし当時は、同社が鉄道敷設免許を取得していたものの、運営資金面の問題などから、計画の域を越えられず、完全な実現には至らなかったようです。
それでも、この計画線の一部は京成電鉄に譲られ、すでに京成本線(京成上野~千住大橋付近)として実現しており、その他のルートについては、現在のつくばエクスプレスにより、計画線とほぼ同じルートでようやく実現しました。
つくばエクスプレスの開業が2005年8月24日ですから、その間、約70年以上の時を経て実現したことになるようです。
そんな70年以上前の計画線の中にも、「田中駅」という名称が確認できます。
これほどまでに「田中」は、この地域の地名として昔から親しまれてきたようです。
さて、私たちの「柏たなか駅」。
命名にあたっては、前町会長のお父様である岡田忠惠氏を代表として、署名運動が展開されました。
たくさんの署名とともに、当時の田中地域内の各町会長や、地元の議員の先生方のご賛同も頂くこととなりました。当時の柏市長・本多晃市長にも陳情書を提出し、要望を根気よく伝えて行きました。
「請願(請願受理番号82号)」という形で柏市議会にて審議された結果、平成14年9月20日(柏議479号)、「平成17年度開業予定のつくばエクスプレス(常磐新線)の駅名に、「田中」の名称を入れること。」ということで採択され、晴れて「柏たなか」という駅名が誕生しました。
全国には、とてもユニークな駅名がたくさんありますが、調べてみますとその1つ1つにはちゃんとした由来があり、その駅を利用する地元の方々の思いが込められています。
「柏たなか」の場合、その昔この地を治めた江戸時代の駿州(駿河国)田中藩の領主代々の善政をしのんで、明治時代に「田中村」としたことが由来です。
この地名を駅名に託したことで、きっとこれからも未来永劫親しまれることになるでしょう。
柏たなか駅界隈は、今も新たな宅地開発が進む発展著しい地域です。
それと共に風景もどんどん変わっておりますが、「田中」という地名とともに、古き良き伝統はどうか受け継がれてほしいものだと思います。
柏たなか駅のデザインコンセプトは、「流体のような駅」とのこと。
利根川の流れやそこに泳ぐ魚をイメージしているようです。
言われてみますと、快速や区間快速も気持ちよさそうに、流れるように通過していきますね(^^;。